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看護師のシフト自動作成とは?病棟の勤務表で確認したい条件と選び方

シフ子ちゃん執筆:シフ子ちゃん(シフトのつくりかた 編集部)公開日 2026.10.05 読了時間 約9分

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看護師のシフト自動作成とは?病棟の勤務表で確認したい条件と選び方

師長が毎月、勤務表づくりに何日も使っている。看護部として自動作成ツールを検討したいものの、「病棟の複雑な条件に本当に対応できるのか」「師長の判断やスタッフへの配慮は残せるのか」が気になっている、という看護部の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、看護部長・師長・看護管理室の方に向けて、看護の勤務表が自動化しにくいと言われる理由、Excel、電子カルテや勤怠管理システムとの違い、自動作成の仕組み、ツールを選ぶときに確認したいポイントを整理します。

この記事の結論

  • 看護の勤務表が自動化しにくいのは、師長の判断がルールとして書き出されていないから。自動化できないわけではない
  • 自動作成は、夜勤の回数・間隔・スキルバランス・組み合わせ・希望をルールとして登録し、全員分を同時に満たす案を出す。師長は「ゼロから作る人」から「案を直す人」に変わる

1. 看護の勤務表が「自動化できない」と言われる理由

病棟の勤務表には、守るべき条件がたくさんあります。整理すると、次の7つに分けられます。

  1. 人員配置基準:入院基本料ごとの看護職員の配置(例:7対1・10対1)、夜勤帯の看護職員は2人以上
  2. 加算要件:看護職員夜間配置加算など、加算の算定に必要な夜間の配置や勤務の組み方
  3. 労基:1日・週の労働時間、月の休日数、勤務と勤務の間の休息(夜勤 → 明け → 休みの並び)
  4. 必要人員:各日・各勤務帯(二交代・三交代の勤務区分ごと)に必要な人数
  5. スキルやパワーバランス:各勤務帯のリーダー、経験年数のバランス、新人とプリセプターの組み合わせ
  6. 公平性:夜勤回数や土日出勤が特定のスタッフに偏らないこと
  7. 希望:希望休・委員会・研修日・院外研修などの予定

ただ、師長が本当に時間を使っているのは、条件の確認そのものではありません。「この夜勤はAさんとBさんを組ませたい」「Cさんは今月、家庭の事情で負荷を下げたい」「新人のDさんは先輩が2人いる日に入れたい」といった判断を、頭の中で積み重ねながら組んでいることです。

こうした判断は、勤務表のどこにも書かれていません。だから「師長でないと作れない」「自動化は無理」と思われがちです。しかし実際は、自動化できないのではなく、ルールとして言葉になっていないだけです。言葉にできれば、多くはシステムに登録できる条件になります。

「AさんとBさんを組ませたい」「Cさんの負荷を下げたい」といった師長の頭の中の判断を、組み合わせ・個別の上限・新人の配置のルールとして書き出すイメージ図
図1:師長の頭の中の判断を「ルール」に書き出す(シフトのつくりかた 編集部作成)

2. 勤務表の作り方は大きく3つ:Excel・電子カルテや勤怠管理システム・シフト自動作成

勤務表を作る方法は、大きく分けて3つあります。それぞれの違いを整理しておきましょう。

Excel(手作業+関数)電子カルテや勤怠管理システムシフト自動作成
作り方人が1マスずつ埋めるスタッフの希望を集め、人が空き枠を埋める条件を満たす組み合わせをシステムが計算する
得意なこと自由に書き込める・費用がかからない希望の収集・共有、人数の過不足チェック条件同士のぶつかりを解くこと
条件の扱い人が頭の中で確認主に人数と時間帯夜勤回数と間隔・勤務の並び・リーダーやスキル・組み合わせ・希望休などを同時に扱う
条件がぶつかったとき人が組み直す人が組み直すシステムが全体を見て組み直す

Excel、電子カルテや勤怠管理システムは、勤務表を「記録し、共有する」ための道具としてはとても便利です。ただし、どのスタッフをどの勤務帯に置き、誰と誰を組ませるかという「組み合わせ」の作業は、どちらも師長に任されています。

そのため、希望の集計は楽になっても、夜勤とリーダーとスキルバランスを同時に合わせる組み直しの時間はあまり減りません。この「組み合わせ」そのものを人の代わりに引き受けるのが、シフト自動作成です。

3. シフト自動作成は、どうやって勤務表を組むのか

自動作成と聞くと「ボタンを押せば、よしなに作ってくれる」イメージを持たれるかもしれません。実際には、師長が勤務表を組むときの頭の中を、次の3つのステップに置き換えています。

条件をルールとして登録→組み合わせを計算→人が確認・微調整、の3ステップ図
図2:自動作成の3ステップ(シフトのつくりかた 編集部作成)

ステップ1:条件を「ルール」として登録する

「夜勤は月○回まで」「夜勤と夜勤の間は○日以上あける」「各勤務帯にリーダー経験者を1名以上」「新人の夜勤にはプリセプターか経験○年以上を組ませる」など、師長がふだん頭の中で守っている条件を、システムにルールとして登録します。ルールには、必ず守るもの(法令・施設基準など)と、できるだけ守るもの(希望休・夜勤回数の公平さなど)があり、優先度をつけて登録するのが一般的です。

ステップ2:すべてのルールを満たす組み合わせを計算する

人は1マスずつ埋めて、ぶつかったら戻って直す、をくり返します。自動作成は、病棟全員分・1か月分の組み合わせをまとめて計算し、登録したルールをできるだけ多く満たす案を探します。「ここを直すとあちらが崩れる」という連鎖を、全体を見ながら解いていくのが人との一番の違いです。

ステップ3:人が確認し、微調整する

出てきた案を師長が確認し、必要なところだけ手で直します。師長の仕事は「ゼロから組む」から「出てきた案を確認し、仕上げる」に変わります。スタッフの体調や家庭の事情など、現場を最もよく知る人の判断は、この最後のステップに残ります。

つまり自動作成の出来ばえは、ステップ1でどれだけ正確にルールを登録できるかで決まります。ツールを比べるときも、「病棟の条件をルールとして書けるか」「それを全部同時に満たす案が出てくるか」を確認するのがポイントです。

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4. 病棟の条件をルールにすると、こうなる

では、病棟の条件は実際にどのようなルールになるのでしょうか。セクション1で挙げた条件を、登録するときの書き方に置き換えてみます。

病棟の条件ルールとしての書き方(例)
勤務区分と並び「夜勤の翌日は明け、その翌日は休み」「準夜の翌日に日勤を入れない」
夜勤回数と間隔「夜勤は月○回まで」「夜勤と夜勤の間は○日以上あける」「勤務と勤務の間は11時間以上あける」「夜勤回数の差は○回以内」
リーダー・スキル「各勤務帯にリーダー可能者を1名以上」「夜勤帯に経験○年以上を○名以上」
新人と先輩「新人の夜勤にはプリセプターか経験○年以上を同じ勤務帯に」「新人同士を同じ夜勤にしない」
希望・予定「希望休は月○日まで」「委員会・研修日は日勤で固定」
師長の配慮「Aさんは今月夜勤○回まで」「BさんとCさんは同じ勤務帯にしない」

表の最後の行が大事です。「今月は負荷を下げたい」「この2人は組ませない」といった師長の裁量も、ルールとして登録できます。自動作成を入れたら師長の配慮がなくなる、ということはありません。むしろ配慮が言葉になることで、師長が異動や休みで不在のときも同じ考え方で勤務表を作れるようになります。

なお、看護職員の夜勤時間には、入院基本料の施設基準として「月平均夜勤時間72時間以下」の要件があります(同じ入院基本料を算定する病棟全体で計算するもので、療養病棟入院基本料の病棟は対象外とされています)。勤務と勤務の間を11時間以上あけることは、日本看護協会のガイドラインで示されている基準です。こうした基準も「必ず守る」または「できるだけ守る」ルールとして扱うのが一般的です。最新の基準は厚生労働省の情報をご確認ください。

出典:厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和6年3月5日 保医発0305第5号)/日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」

5. 看護部がツールを選ぶときに確認したい3つのポイント

病棟の勤務表で自動作成を使うなら、次の3点を確認しておくと失敗しにくくなります。

病棟の条件をすべてルールとして書けるか、作成後に師長が手で直せるか、月の途中の変更に対応できるか、の3点を並べたツール選定のチェックリスト
図3:ツールを選ぶときの3つのポイント(シフトのつくりかた 編集部作成)

① 病棟の条件をすべてルールとして書けるか

夜勤の間隔、リーダーの配置、新人とプリセプターの組み合わせ、特定のスタッフ同士の組み合わせなど、セクション4の表にある条件を登録できるか。自病棟の実際の勤務表を使って試すのが確実です。

② 作成後に師長が手で直せるか

自動で作った案を手で修正でき、修正したときにルール違反があれば画面上で分かるか。師長の最終判断を残せるかどうかは、現場に受け入れられるかに直結します。

③ 月の途中の変更に対応できるか

病欠や急な退職で勤務表は必ず崩れます。欠員が出たときに一部だけ作り直せるか、勤務の変更を申請・承認で管理できるかも確認しましょう。

6. 導入をスムーズに進めるための準備

準備として欠かせないのが、師長の暗黙ルールの棚卸しです。職員一覧(資格・経験年数・夜勤の可否・リーダーの可否)と勤務区分は多くの病院ですでにそろっていますが、師長の頭の中にある判断は書き出されていないことがほとんどです。

  • 「Aさんは子どもの送迎があるので、月曜の早出は不可」
  • 「BさんとCさんは同じ夜勤に入れない」
  • 「入職後○か月の新人は夜勤に入れない」
  • 「病棟会議の日は日勤を1名多く」

まずは今月の勤務表を見ながら、「なぜこの人をここに置いたのか」を師長に聞き取ってみてください。それだけで多くのルールが出てきます。複数の病棟で導入する場合は、病棟ごとに違うルールと、看護部で共通のルールを分けて整理しておくと、設定が進めやすくなります。

Shiftmationの場合

Shiftmation(シフトメーション)は、介護・医療など24時間運営の現場向けに作られたシフト自動作成サービスです。

  • 病棟の条件をルールとして登録:夜勤の回数と並び・スキルや資格・スタッフの組み合わせ・希望休を同時に満たす勤務表を自動で作成します。欠員が出たときは月の途中で一部を作り直すこともできます
  • 専任担当が初期設定をサポート:シフトのルールを頭の中から取り出し、言葉にし、優先順位をつけ、初めて使うシステムに正しく設定する——ここが導入で最も重要で、最も難しいところです。Shiftmationでは「わからないことがあればサポートします」ではなく、シフト作成者お一人ずつに専任担当が付き、オンラインMTGで伴走しながらすべて一緒に作り込みます。正しく初期設定できるだけでなく操作にも慣れていただけるので、使い続けられる状態で運用を始められます
  • 看護部の管理業務にも:勤務変更の申請・承認のワークフローに加え、上位プランでは概算人件費の管理や、業界に合わせた帳票出力にも対応しています

自病棟の条件で自動作成できるか知りたい方は、病院・医療機関向けページをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

  • 看護の勤務表が自動化しにくいのは、師長の判断がルールとして書き出されていないから
  • Excel、電子カルテや勤怠管理システムは記録・共有が得意。「組み合わせ」を引き受けるのが自動作成で、ルールを全部同時に満たす案を計算する
  • 師長の配慮もルールとして登録できる。師長は案を確認し、仕上げる側に回れる
  • 選定では、病棟の条件を書けるか・手で直せるか・月途中の変更に対応できるかを確認する
  • 導入準備のカギは、師長の暗黙ルールの棚卸し
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よくある質問(FAQ)

Q二交代と三交代が混在する病院でも自動作成できますか?

A多くの自動作成ツールでは、病棟ごとに勤務区分を登録できます。ただし、二交代と三交代が混在する病棟に対応できるかどうかはツールごとに異なるため、導入前に自院の体制で運用できるかを確認してください。

Q自動作成を入れると、師長の裁量がなくなりませんか?

Aなくなりません。「この人は今月負荷を下げる」といった配慮もルールとして登録でき、作成後に師長が手で直すこともできます。師長の時間が、ゼロから組む作業から、確認と調整に移るイメージです。

Q看護師以外の職種(看護補助者など)もまとめて作れますか?

Aツールによって異なります。職種ごとに勤務区分やルールを分けて登録できるか、職種をまたいだ組み合わせの条件を設定できるかを、導入前に確認しておくと安心です。

この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令の解釈や個別の事案への判断を示すものではありません。内容は公開・更新時点の情報に基づいています。実際の運用にあたっては最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報により生じた損害について、当社は責任を負いかねます。


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