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看護師の勤務表作成のコツ|夜勤から組む5ステップと希望が重なったときの決め方

シフ子ちゃん執筆:シフ子ちゃん(シフトのつくりかた 編集部)公開日 2026.10.05 読了時間 約10分

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看護師の勤務表作成のコツ|夜勤から組む5ステップと希望が重なったときの決め方

師長になって初めて勤務表を任された。あるいは、任されて何か月か経つのに、いまも前任者のExcelを開いて見よう見まねで組み、毎月何度も作り直しになっている。できればもっと早く、スタッフから不満の出ない勤務表を作りたい、と感じていないでしょうか。

経験の長い師長に聞くと、多くの方が「勤務表は夜勤から先に入れる」と答えます。これは現場で経験的にたどり着いた順序ですが、「条件を満たす組み合わせを探す」という問題の解き方から見ても、理にかなった順番です。

この記事では、勤務表づくりの経験がまだ浅い病棟の看護師長・主任の方に向けて、勤務表を早く組むための5つのステップ、夜勤・土日・リーダー・新人の配置の決め方、漏れを防ぐ「日単位」と「人単位」の視点、師長が一人で抱え込まないための工夫を整理します。

この記事の結論

  • 勤務表は制約がきつく、選択肢が少ないものから先に確定させる。順番は固定要素 → 夜勤 → 土日祝と要件の厳しいポジション → 平日の日勤 → 休日の配置とチェック
  • 夜勤や土日を置く段階は日単位(その日に人数と資格が揃うか)、休日と連勤のチェックは人単位(月間パターンが健全か)で見ると、漏れが減る
  • 「全員の条件を同時に満たす」部分は人の集中力に限界がある。そこは自動作成に任せ、師長は調整と説明に時間を使うのが現実的

1. 勤務表づくりで作り直しが多くなる理由

勤務表づくりに時間がかかる師長の多くは、日付の順に、あるいは日勤の人数から埋め始めています。すると後半で夜勤が組めなくなり、前に戻って直す、をくり返すことになります。

原因は、条件の「自由度」を考えずに埋めていることです。基本原則はこうです。

制約がきつく、選択肢が少ないものから先に確定させる。 あとから動かしにくいものを先に置き、自由度の高いものを最後に流し込むと、手戻りが最小になる。

病棟の勤務表をこの原則で並べると、次の順番になります。

順番決めるもの自由度先に決める理由
1固定要素(希望休・有給、研修・委員会、個人条件、公休日数)ほぼない交渉の余地がなく、曖昧なまま組むと必ず作り直しになる
2夜勤(回数上限・夜勤→明け→休みのセット・ペアリング)最も低い1つ置くと3日分が埋まり、前後の日すべてに影響する
3土日祝と、要件の厳しいポジション(日勤リーダー・主任・資格者)低い人数が薄く、担当できる人が限られる
4平日の日勤高い選択肢が最も多く、残った人をほぼ機械的に埋められる
5休日の配置と最終チェック—休みは残った場所に自動的に入る。確認が中心
固定要素、夜勤、土日祝とリーダー、平日の日勤、休日とチェックの順に、自由度が低いものから先に決める5ステップの階段図
図1:自由度が低いものから先に決める5ステップ(シフトのつくりかた 編集部作成)

現場のベテラン師長が「夜勤から先に入れる」のは、この原則を経験的に体得しているからです。次のセクションで、ステップごとに何をするかを見ていきます。

2. 早く組める師長の5ステップ:固定要素 → 夜勤 → 土日祝 → 平日日勤 → 休日

ステップ1:組み始める前に、固定要素を確定させる

勤務表を作り始める前に、動かせないものをすべて書き出して確定させます。希望休・有給、研修や委員会などの出張・会議、産休・時短・夜勤免除などの個人条件、それに今月の公休日数の計算です。これらは交渉の余地がほぼないので、曖昧なまま組み始めると必ず作り直しになります。

同時に、月をまたぐ制約も確認しておきます。前月末の勤務から続く連勤日数と、前月末の夜勤に対する明けの位置です。月初の数日は、前月の勤務表とつなげて見ます。

ステップ2:夜勤を配置する

固定要素の次は夜勤です。夜勤が最優先なのは、次の3つの制約が重なり、最も自由度が低いからです。

  1. 1人あたりの回数上限:病棟の基準で上限を決めておく(日本看護協会のガイドラインでは、三交代は月8回以内を基本とし、それ以外の交代制は労働時間などに応じた回数としています)
  2. セット構造:夜勤 → 明け → 休みで1つ置くと3日分が一気に埋まる
  3. ペアリングの制約:新人と新人を組ませない、リーダー可能者を必ず1人入れる、男女比を考慮する、など
夜勤・明け・休みを1セットで置くと勤務表の3日分が一度に埋まることを示した二交代の勤務表の例
図2:夜勤を1つ置くと3日分が埋まる(シフトのつくりかた 編集部作成)

2交代なら夜勤・明け・(休)のブロックを、3交代なら準夜・深夜を先に置き、勤務間隔と連続夜勤の制限もこの段階で潰しておきます(同じガイドラインでは、勤務と勤務の間は11時間以上、夜勤の連続は2回までを基準としています)。コツは、月初から順に埋めるのではなく、月全体を見ながら人ごとの夜勤回数が月内で均等になるように散らすことです。前月の回数も見ておくと、月をまたいでも公平に組めます。

なお、看護職員の夜勤時間には、入院基本料の施設基準として「月平均夜勤時間72時間以下」の要件があります。同じ入院基本料を算定する病棟全体(複数の病棟なら合算)で計算するもので、療養病棟入院基本料の病棟は対象外とされています。病棟の夜勤時間もこの段階であわせて確認しておきましょう。最新の基準は厚生労働省の情報をご確認ください。

出典:日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」/厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和6年3月5日 保医発0305第5号)

ステップ3:土日祝と、要件の厳しいポジションを埋める

夜勤が置けたら、続いて土日祝と、日勤帯の中でも要件の厳しいポジションを埋めます。土日は人数が薄くなるうえに「土日出勤の回数を公平に」という制約があるので、平日より先に決めます。

日勤リーダー、係長・主任の配置、外来兼務、認定看護師や特定の処置ができる人が必要な日などもこの段階で置き、スキルミックスに穴がないようにします。リーダー可能者が夜勤に偏ると日勤リーダーが足りなくなるので、足りない日は夜勤の組み合わせを入れ替えて調整します。

ステップ4:平日の日勤を流し込む

その後で平日の日勤を埋めます。ここは最も選択肢が多いので、残った人をほぼ機械的に埋められます。人数が多すぎる日と足りない日のバランス調整も、この段階で行います。

ステップ5:休日を配置してチェックする

実務的には、休みは「残った場所に自動的に入る」形になります。最後に、次の4点を人ごとに確認して完成です。

  • 公休数が人ごとに合っているか
  • 連勤が病棟の上限(例:5日以内)を超えていないか
  • 明けの後にちゃんと休みが来ているか
  • 飛び石休みが多すぎないか

3. 「人単位」だけでなく「日単位」でも見る

もう一つ大事な視点が、勤務表を「人単位」だけでなく「日単位」でも見ることです。Excelの勤務表は横に人、縦に日付が並ぶ物が多く、ついつい人の行だけを追って埋めてしまいがちです。すると「この日だけリーダーがいない」という穴に気づかないまま完成してしまいます。

ステップごとに視点を切り替えると、漏れが減ります。

段階見る単位確認すること
ステップ2・3(夜勤と土日を置く)日単位その日に必要な人数と資格・リーダーが揃っているか。新人だけの勤務帯がないか
ステップ4(平日日勤を埋める)日単位 → 人単位人数が多すぎる日・足りない日はないか。特定の人に日勤が偏っていないか
ステップ5(休日と連勤のチェック)人単位その人の月間パターンが健全か(公休数・連勤・明け後の休み・飛び石休み)
勤務表を縦に見る日単位で人数とリーダーを、横に見る人単位で公休数・連勤・明け後の休みを確認する視点の図
図3:日単位(縦)と人単位(横)の視点(シフトのつくりかた 編集部作成)

配置の段階では日単位で穴を潰し、最後のチェックで人単位に戻る。この往復を意識するだけで、公開後に「この日、人が足りない」と指摘されることが減ります。

4. 希望が重なったときの優先順位は、先に病棟で決めておく

ステップ1の固定要素でいちばん気をつかうのが、希望休が重なった日の判断です。希望休は「交渉の余地がほぼない」固定要素ですが、全員分を通すとその日の人数が足りないということは起きます。毎回その場で決めていると、時間がかかるうえ、「なぜ私だけ通らないのか」という不満にもつながります。

おすすめは、優先順位を事前に病棟で合意しておくことです。たとえば次のような考え方があります。

優先度内容(例)
1法令・施設基準・安全に関わる条件(必要人数、夜勤の並びと回数、リーダーの配置)
2冠婚葬祭・通院・子どもの行事など、日付が動かせない理由がある希望
3前月に希望が通らなかった人、土日出勤が多かった人の希望
4その他の希望(希望休の日数の上限内)
希望が重なった日は、法令・施設基準・安全の条件、日付が動かせない希望、前月に通らなかった人の希望、その他の希望の順に優先する例
図4:希望が重なった日の優先順位(例)(シフトのつくりかた 編集部作成)

「希望休は月○日まで」「同じ日に希望できるのは○名まで」といったルールもあわせて決めておくと、希望の出し方自体が落ち着いてきます。同じように、「夜勤は月○回まで」「新人同士を同じ夜勤にしない」「入職後○か月は夜勤に入れない」といったステップ2の基準も、病棟のルールとして決めておくと毎月迷わずに済みます。

大事なのは、師長の判断基準がスタッフに見えていることです。「この順番で決めています」と説明できれば、希望が通らなかった人にも納得してもらいやすくなります。

5. 師長が抱え込まないための工夫

勤務表が「師長にしか作れないもの」になると、師長の負担は増える一方です。ステップが5つに分かれているということは、ステップごとに人に任せられるということでもあります。次のような工夫で、少しずつ手放していきましょう。

  • 病棟のルールを書き出す:夜勤の回数上限と間隔、ペアリングの条件、リーダー可能者の一覧、土日出勤の公平の基準、連勤の上限など、前任者から引き継いだやり方を文字にしておく。主任や次の師長が同じ考え方で作れるようになります
  • 希望の出し方をそろえる:締め切り日と上限日数を決め、紙や口頭ではなく同じ形式で集める。ステップ1の固定要素が締め切りの時点で揃うので、組み始めてからの追加で作り直すことが減ります
  • ステップごとに主任と分担する:固定要素の確定と夜勤の配置(ステップ1・2)は師長、土日と平日日勤の割り当て(ステップ3・4)は主任、最終チェック(ステップ5)は二人で、のように分ける。自由度の高いステップは任せやすいので、後半から渡すのが現実的です

特に1つ目が大切です。前任者のExcelには、完成した勤務表は残っていても、「なぜこう組んだのか」はほとんど残っていません。今月の勤務表を見ながら、自分の判断を1つずつ書き出してみてください。

6. 「全員の条件を同時に満たす」のは、人の集中力では限界がある

順番と優先順位を決めれば、作り直しの回数はかなり減ります。ただし最後まで残るのが、次の7つの条件を全員分同時に満たす、という作業です。

  1. 人員配置基準:入院基本料の看護配置、夜勤帯の看護職員の人数
  2. 加算要件:夜間の配置や勤務の組み方など、加算の算定に必要な条件
  3. 労基:労働時間、公休数、連勤の上限、勤務と勤務の間の休息
  4. 必要人員:各日・各勤務帯に必要な人数
  5. スキルやパワーバランス:リーダーと資格者の配置、新人と先輩のペアリング
  6. 公平性:夜勤の回数と間隔、土日出勤が特定の人に偏らないこと
  7. 希望:希望休・研修・委員会の予定

夜勤を1つ動かすと3日分が動き、その日のリーダーが消え、別の人の連勤が上限を超える——この連鎖を、日単位と人単位の両方で頭の中だけで追い切るのは、どれだけ慣れた師長でも大変です。

この部分を引き受けるのが、シフト自動作成です。セクション5で書き出した病棟のルールを登録すると、システムが全員分・1か月分の組み合わせをまとめて計算し、ルールをできるだけ多く満たす案を出します。やっていることはこの記事の順番と同じで、固定要素を前提に、制約のきつい夜勤から決めていきます。師長はその案を確認して必要なところだけ直す、という流れになります。

前任者や病棟ごとのやり方が条件として画面に残るので、「師長の頭の中にしかない」状態からも抜け出せます。師長の時間は、組み合わせのパズルから、スタッフとの調整や説明に使えるようになります。

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シフト自動作成サービスはいくつかあり、得意な業種や扱える条件はそれぞれ異なります。Shiftmation(シフトメーション)もその一つで、介護・医療など、条件が複雑な現場のシフト作成を専門にしています。自病棟の条件で作れるかどうか、機能・料金・導入の流れをまとめた資料でご確認ください。

Shiftmationの場合

Shiftmation(シフトメーション)は、医療・介護など24時間運営の現場向けに作られたシフト自動作成サービスです。

  • 病棟のルールをそのまま登録:夜勤の回数と並び・ペアリング・リーダーや資格・土日出勤の公平・希望休・公休数と連勤上限を同時に満たす勤務表を自動で作成します
  • 専任担当が初期設定をサポート:シフトのルールを頭の中から取り出し、言葉にし、優先順位をつけ、初めて使うシステムに正しく設定する——ここが導入で最も重要で、最も難しいところです。Shiftmationでは「わからないことがあればサポートします」ではなく、シフト作成者お一人ずつに専任担当が付き、オンラインMTGで伴走しながらすべて一緒に作り込みます。正しく初期設定できるだけでなく操作にも慣れていただけるので、使い続けられる状態で運用を始められます
  • 月の途中の変更にも対応:欠員が出たときは一部だけ作り直せます。勤務変更の申請・承認もシステム上で管理できます

自病棟の勤務表を自動作成できるか知りたい方は、病院・医療機関向けページをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

  • 作り直しが多いのは、条件の自由度を考えずに埋めているから。原則は制約がきつく、選択肢が少ないものから先に確定させる
  • 勤務表は 固定要素 → 夜勤 → 土日祝と要件の厳しいポジション → 平日の日勤 → 休日の配置とチェック の順に組む
  • 夜勤は回数上限・セット構造・ペアリングの3つの制約が重なるので最優先。月全体を見て均等に散らす
  • 配置の段階は日単位、休日と連勤のチェックは人単位で見る
  • 希望が重なったときの優先順位や夜勤の基準は事前に病棟で合意し、スタッフに見える形にする
  • 全員の条件を同時に満たす部分は自動作成に任せ、師長は調整と説明に時間を使う
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よくある質問(FAQ)

Q勤務表は毎月いつ頃から作り始めればよいですか?

A希望休の締め切りを前月の中旬ごろに設定し、締め切り後すぐに固定要素を確定して夜勤から組み始める病棟が多いようです。公開日を決めておくと、スタッフも予定を立てやすくなります。

Q何か月か作っていますが、いまも作り直しが多いです。順番を変えるだけで良くなりますか?

A日付順や日勤から埋めていた方なら、順番を変えるだけで後半の手戻りはかなり減ります。あわせて、これまでの勤務表でどの段階で前に戻っていたか(夜勤が組めなかったのか、土日の人数か、連勤か)を振り返ると、自分の病棟でどのステップを丁寧にやるべきかが見えてきます。

Q夜勤を先に入れると、希望休とぶつかりませんか?

A希望休は固定要素として夜勤より前(ステップ1)に確定させるので、夜勤は希望休を避けた日に置きます。ぶつかるのは、希望休が重なってその日の夜勤要員が揃わないときで、その場合はセクション4の優先順位で決めます。

Q前任者と自分のやり方が違ってもよいのでしょうか?

A問題ありません。ただし、夜勤の回数や希望休の扱いなど、スタッフに影響するルールを変えるときは、事前に病棟で共有しておくと不満が出にくくなります。

QExcelの勤務表から自動作成に切り替えるのは大変ですか?

Aスタッフ一覧と勤務区分、病棟のルールがそろっていれば始められます。この記事のセクション5で書き出したルールが、そのまま設定の材料になります。

この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令の解釈や個別の事案への判断を示すものではありません。内容は公開・更新時点の情報に基づいています。実際の運用にあたっては最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報により生じた損害について、当社は責任を負いかねます。


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