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ホテルのシフト自動作成とは?部門ごとでも全館でも組める仕組みと導入前の準備

シフ子ちゃん執筆:シフ子ちゃん(シフトのつくりかた 編集部)公開日 2026.10.05 読了時間 約9分

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ホテルのシフト自動作成とは?部門ごとでも全館でも組める仕組みと導入前の準備

フロント、客室、料飲。シフトは部門ごとにマネージャーが毎月組んでいて、作り方はその人の頭の中にしかない。担当者が休んだり辞めたりすると、とたんに回らなくなる。支配人や人事総務の立場で、この状態に不安を感じていないでしょうか。

この記事では、ホテルのシフトが属人化しやすい理由、Excelや勤怠管理システムとの違い、自動作成がシフトを組む仕組み、部門ごとに使う場合と全館でまとめる場合の違い、そして導入前に決めておくべきことを整理します。

この記事の結論

  • ホテルのシフトが難しいのは、日によって必要人数が大きく変わるうえに、部門・スキル・夜勤・兼務の条件が重なるから。マネージャーの経験で毎月ゼロから組む運用は、人が替わった瞬間に止まる
  • 自動作成は、日ごとの必要人数とスキル・夜勤・希望を「ルール」として登録して組む。部門ごとでも全部門まとめてでも使える。作り方が仕組みとして残るので、属人化が解消される
  • 導入の肝は、ポジションごとの必要人数の基準を先に決めておくこと

1. ホテルのシフトが属人化しやすい3つの理由

ホテルのシフト作成は、ほかの業種と比べても「その人にしか作れない」状態になりやすい仕事です。理由は大きく3つあります。

理由①:日によって必要人数が大きく変わる

ホテルでは、稼働率・宴会・団体の予約によって、日ごとに必要な人数が大きく変わります。平日と週末、連休、大きな宴会がある日では、フロントも客室清掃も料飲も、必要な人数がまったく違います。「毎日同じ人数を並べればよい」という前提が成り立たないため、毎月の組み立てがゼロからになりがちです。

理由②:部門・スキル・夜勤・兼務の条件が重なる

さらに、次のような条件が同時にかかります。

  1. 必要人数:日ごと・時間帯ごと・部門ごとに必要な人数(稼働率や宴会・団体の予約で変わる)
  2. 労働時間と休日:1日・週の労働時間、休憩、月の休日数、勤務と勤務の間の休息
  3. スキル:部門ごとに必要なスキル(例:フロントの外国語対応、料飲のバーテンダー、客室のインスペクション)、新人とベテランの組み合わせ
  4. 夜勤:ナイトフロントなどの夜勤と、その後の明け・休みの並び
  5. 兼務・応援:複数部門に入れるスタッフを、どの日にどの部門へ回すか
  6. 公平性:ナイトや土日・繁忙日の出勤が、特定のスタッフに偏らないこと
  7. 希望:希望休、学生アルバイトの授業など勤務できる曜日・時間帯

ナイトに入れる人を確保すると日中が手薄になり、兼務スタッフを料飲に回すとフロントが足りなくなる。条件同士がぶつかるので、1か所を直すと別の場所が崩れます。

宴会日や週末で大きく変わる日ごとの必要人数に、部門のスキル・ナイトの並び・兼務・労働時間と希望休の条件が同時に重なることを示した図
図1:ホテルのシフトで重なる条件(シフトのつくりかた 編集部作成)

理由③:部門ごとにマネージャーが組んでいる

多くのホテルでは、部門ごとにマネージャーが自分のやり方でシフトを組んでいます。部門をまたぐ兼務や応援は、マネージャー同士の口頭調整で決まることも少なくありません。作り方が文書にも仕組みにも残っていないため、担当者が替わった瞬間に止まるのです。

2. シフトの作り方は大きく3つ:Excel・勤怠管理システム・シフト自動作成

シフトを作る方法は、大きく分けて3つあります。

Excel(手作業+関数)勤怠管理システムシフト自動作成
作り方人が1マスずつ埋めるスタッフの希望を集め、人が空き枠を埋める条件を満たす組み合わせをシステムが計算する
得意なこと自由に書き込める・費用がかからない希望の収集・共有、人数の過不足チェック条件同士のぶつかりを解くこと
条件の扱い人が頭の中で確認主に人数と時間帯日ごとの必要人数・スキル・夜勤の並び・兼務・希望休などを同時に扱う
条件がぶつかったとき人が組み直す人が組み直すシステムが全体を見て組み直す

Excelや勤怠管理システムは、シフトを「記録し、共有する」道具としてとても便利です。ただし、誰をどのポジションに置くかを決める「組み合わせ」の作業は、どちらも人に任されています。

部門ごとのマネージャーが組み直しに時間を取られている状態は、希望の集計が楽になっても大きくは変わりません。この「組み合わせ」そのものを人の代わりに引き受けるのが、シフト自動作成です。

3. シフト自動作成は、どうやってシフトを組むのか

自動作成は、人がシフトを組むときの頭の中を、次の3つのステップに置き換えています。

条件をルールとして登録→組み合わせを計算→人が確認・微調整、の3ステップ図
図2:自動作成の3ステップ(シフトのつくりかた 編集部作成)

ステップ1:条件を「ルール」として登録する

「この日はフロント早番に3名必要」「ナイトの翌日は明け、その翌日は休み」「外国語対応ができる人を各時間帯に1名以上」など、マネージャーがふだん頭の中で守っている条件を、システムにルールとして登録します。ルールには、必ず守るもの(法令・安全に関わるもの)と、できるだけ守るもの(希望休・勤務回数の公平さなど)があり、優先度をつけて登録するのが一般的です。

ステップ2:すべてのルールを満たす組み合わせを計算する

人は1マスずつ埋めて、ぶつかったら戻って直す、をくり返します。自動作成は、対象とするスタッフ全員分・1か月分の組み合わせをまとめて計算し、登録したルールをできるだけ多く満たす案を探します。「ここを直すとあちらが崩れる」という連鎖を、全体を見ながら解いていくのが人との一番の違いです。

ステップ3:人が確認し、微調整する

出てきた案をマネージャーが確認し、必要なところだけ手で直します。仕事は「ゼロから組む」から「出てきた案を確認し、仕上げる」に変わります。現場の事情をよく知る人の判断は、この最後のステップに残ります。

自動作成の出来ばえは、ステップ1でどれだけ正確にルールを登録できるかで決まります。ツールを比べるときも、「自分たちの条件をルールとして書けるか」「それを全部同時に満たす案が出てくるか」を確認するのがポイントです。

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4. ホテルの条件をルールにすると、こうなる

セクション1で挙げたホテル特有の条件を、登録するときの書き方に置き換えてみます。

ホテルの条件ルールとしての書き方(例)
必要人数「繁忙日はフロント早番3名・遅番3名、閑散日は各2名」「宴会がある日は料飲を2名追加」
労働時間と休日「6時間を超える勤務には45分、8時間を超える勤務には1時間の休憩」「休日は週1日以上(または4週4日以上)」「勤務と勤務の間は○時間以上あける」
スキル「各時間帯に外国語対応ができる人を1名以上」「バーの営業時間はバーテンダーを1名以上」「新人だけの時間帯をつくらない」
夜勤(ナイトフロント)「ナイトは月○回まで」「ナイトの翌日は明け、その翌日は休み」「ナイトには経験者を1名以上」
兼務・応援「Aさんはフロントと料飲の両方に入れる」「料飲が不足する日は兼務スタッフを優先して回す」
公平性「ナイトと土日の出勤回数が、スタッフの間で偏らないようにする」
希望「希望休は月○日まで」「同じ日に同じ部門から○名まで」

出典:労働基準法 第34条(休憩)・第35条(休日)(e-Gov法令検索)/勤務間の休息(勤務間インターバル)は2019年4月から事業主の努力義務(厚生労働省「勤務間インターバル制度とは」)。最新の基準は厚生労働省の情報をご確認ください。

よく聞かれるのが「繁閑の差に合わせた配置まで組めるのか」という点です。ここで大事なのは、予約状況などから日ごとの必要人数を決めておけば、それを条件として組めるということです。表の1行目のように「この日は何名必要か」をルールとして入れれば、繁忙日は厚く、閑散日は薄くしたシフトが作られます。日ごとの必要人数の基準づくりは、セクション6で説明します。

5. 部門ごとに作るか、全館でまとめて作るか

自動作成は、部門ごとに使うことも、全部門分を1つにまとめて組むこともできます。どちらで始めても、ルールがシステムに残るため、担当マネージャーが替わっても同じ基準でシフトを作り続けられます。「作り方が仕組みとして残る」という効果は、部門単位でも得られます。

部門ごとに別々のシフト表で作る場合と、兼務スタッフも含めて全館を1つの表でまとめて作る場合を比べ、どちらでも作り方がルールとして残ることを示した図
図3:部門ごとに作る場合と、全館でまとめて作る場合(シフトのつくりかた 編集部作成)

部門ごとに作る場合:フロントだけ、料飲だけ、といった単位で始められます。部門ごとに勤務区分や必要人数の考え方が違っても、その部門のルールだけ登録すればよいので、導入の負担が小さく、まずは1部門で試したいホテルに向いています。

全館でまとめて作る場合:全部門のルールを登録したうえで同時に組むと、部門ごとにバラバラに作っていたときと比べて、次の2つが変わります。

  • 兼務・応援が組みやすくなる:兼務できるスタッフを「どの部門に入れるか」まで含めて計算するので、マネージャー同士の口頭調整が減ります
  • 全館の配置が見渡せる:どの日にどの部門が手厚く、どこが手薄かを一つのシフト表で確認できます

人件費についても、概算人件費を管理できるツールであれば、繁忙日にどこまで人を厚くするかを数字を見ながら判断しやすくなります。人件費を抑えすぎれば接客品質が落ち、厚くしすぎれば利益を圧迫します。このバランスを経験と勘ではなく、数字で話せるようになるのは、支配人にとって大きな変化です。

6. 導入の肝は「ポジションごとの必要人数の基準」

導入前に準備するものは、次の3つです。

① スタッフ一覧

氏名、雇用形態(正社員・契約・パート・アルバイト)、所属部門、兼務できる部門、スキル、ナイトの可否。多くのホテルではすでにExcelなどで持っている情報です。

② 勤務区分とポジション

早番・遅番・ナイトなど、部門ごとに使っている勤務の種類と時間帯。あわせて、フロント・ベル・客室・朝食・ディナーなど、配置するポジションを書き出します。

③ ポジションごとの必要人数の基準

いちばん大事なのがここです。「稼働率がこのくらいならフロント早番は何名」「宴会が何名規模なら料飲は何名追加」といった基準を、部門ごとに決めておきます。

この基準は、各部門のマネージャーの頭の中にしかないことがほとんどです。まずは直近のシフト表を見ながら、「この日はなぜこの人数にしたのか」をマネージャーに聞き取ってみてください。繁忙日・通常日・閑散日の3段階くらいに分けて整理するだけでも、基準が見えてきます。

必要人数の基準が決まっていないと、自動作成は「何名置けばよいか」が分からず、結局人が毎回判断することになります。逆に基準が決まっていれば、毎月の作業は「予約状況を見て、各日の必要人数を当てはめる」だけになります。

Shiftmationの場合

Shiftmation(シフトメーション)は、宿泊業をはじめ、24時間運営で条件が複雑な現場向けに作られたシフト自動作成サービスです。

  • ホテルの条件をルールとして登録:日ごとの必要人数・スキル・ナイトの回数と並び・希望休などを登録し、部門ごとでも全館でも、登録したルールを満たすシフトを自動で作成します
  • 専任担当が初期設定をサポート:シフトのルールを頭の中から取り出し、言葉にし、優先順位をつけ、初めて使うシステムに正しく設定する——ここが導入で最も重要で、最も難しいところです。Shiftmationでは「わからないことがあればサポートします」ではなく、シフト作成者お一人ずつに専任担当が付き、オンラインMTGで伴走しながらすべて一緒に作り込みます。正しく初期設定できるだけでなく操作にも慣れていただけるので、使い続けられる状態で運用を始められます
  • 人件費を数字で確認:上位プランでは概算人件費の管理ができ、人員配置と人件費のバランスを数字で確認できます

月の途中で欠員や予定の変更が出たときに一部だけ作り直す機能や、シフト変更の申請・承認の仕組みもあります。自ホテルの条件で自動作成できるか知りたい方は、資料をダウンロード(無料)してご確認ください。

まとめ

  • ホテルのシフトが難しいのは、日ごとに必要人数が変わるうえに、部門・スキル・夜勤・兼務の条件が重なるから
  • 部門ごとにマネージャーが経験で組む運用は、担当者が替わると止まる
  • 自動作成は条件をルールとして登録し、部門ごとでも全部門まとめてでも使える。作り方が仕組みとして残る
  • 予約状況などから日ごとの必要人数を決めておけば、それを条件として繁閑に合わせたシフトが組める
  • 導入の肝は、ポジションごとの必要人数の基準を先に決めておくこと
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よくある質問(FAQ)

Q部門ごとにシフトの作り方が違っても、まとめて自動作成できますか?

A部門ごとに分けて作成することも、全部門分をまとめて作成することもできます。まとめる場合は、部門ごとの勤務区分・ポジション・スキルをそれぞれルールとして登録します。まずは1つの部門から始め、うまく回ってから他の部門に広げる進め方も一般的です。

Q複数部門を兼務するスタッフも扱えますか?

A多くの自動作成ツールでは、兼務は「入れる部門」をスタッフごとに登録するのが一般的です。「料飲が不足する日は兼務スタッフを優先して回す」のように、どの部門を優先するかもルールにできます。検討中のツールで、自ホテルの勤務形態がそのまま登録できるか確認しておくと安心です。

Q自動作成したシフトを手で直すことはできますか?

A多くのツールでは、作成後に手で修正できます。予約の変動が大きいホテルでは、月の途中で一部だけ作り直せるかどうかもあわせて確認しておくとよいでしょう。

この記事について

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令の解釈や個別の事案への判断を示すものではありません。内容は公開・更新時点の情報に基づいています。実際の運用にあたっては最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報により生じた損害について、当社は責任を負いかねます。


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