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ホテルの繁忙期の人手不足はシフトで変わる|必要人数の出し方と兼務の組み込み方

連休や夏休みになると、フロントも客室もレストランも手が足りない。一方で、平日の閑散期にはスタッフが手持ち無沙汰になっている。採用を増やしたいけれど、閑散期の人件費を考えると踏み切れない。そんな状況に悩んでいないでしょうか。
繁忙期の人手不足は、採用だけでしか解決できない問題に見えます。しかし実際には、今いる人員の配置を変えるだけで、体感がかなり変わることがあります。この記事では、日ごとの必要人数の出し方、閑散期の人件費の抑え方、兼務(多能工化)をシフトに組み込む方法を順に整理します。
この記事の結論
- 繁忙期の人手不足の多くは、繁閑に関わらず同じ人数を置く「固定シフト」による配分の問題。予約状況や稼働室数から日ごとの必要人数を決めるだけで体感は変わる
- 次に効くのが、フロントと客室、レストランと宴会などの兼務(多能工化)。スキルを管理し、繁忙日に応援を組み込むと実質的な人員が増える
- この二つを毎月手作業で回すのは負担が大きい。日ごとの必要人数とスキルを条件にして自動で組むのが現実的
目次
1. 繁忙期の人手不足は「人数」より「配置」の問題
まず、今のシフトがどのように組まれているかを振り返ってみてください。多くのホテルでは、次のような組み方になっています。
- 曜日ごとに決まったパターン(例:フロント朝2名・夜2名)をそのまま毎週使う
- スタッフの希望休を先に入れ、残った日にパターン通り人を置く
- 繁忙日は「足りなければ誰かに残ってもらう」で乗り切る
この「固定シフト」だと、宿泊者が多い日も少ない日も、ほぼ同じ人数が配置されます。結果として、繁忙日には足りず、閑散日には余る状態が生まれます。

月全体で見れば人数は足りているのに、日ごとに見ると偏っている。繁忙期の人手不足の多くは、この配分のずれから生まれています。だとすれば、最初に取り組むべきは採用ではなく、日ごとに必要な人数を決めてから人を置くことです。
2. 稼働室数から「日ごとの必要人数」を出す
必要人数は、勘ではなく数字から出せます。基本の考え方は「その日の仕事の量 ÷ 1人がこなせる量」です。宿泊業では、稼働室数(その日に埋まっている客室数)や宿泊者数が仕事の量の目安になります。

例として、客室清掃・フロント・朝食会場の必要人数を出してみます。以下の数字は説明のための一般例で、実際の値はホテルの規模や設備、客室のタイプによって変わります。
| 部署 | 仕事の量の目安 | 1人あたりの目安(例) | 稼働60室の日(例) | 稼働100室の日(例) |
|---|---|---|---|---|
| フロント(夕方) | チェックイン件数 | 例:1時間あたり1人10件 | 2人 | 3人 |
| 客室清掃 | チェックアウト・連泊の客室数 | 例:1人1日12室 | 5人 | 9人 |
| 朝食会場 | 朝食の人数 | 例:1人あたり40名 | 3人 | 5人 |
※朝食会場とフロントは、例として1室あたり約1.7名の宿泊、チェックインの半分ほどが夕方の2時間に集中すると仮定しています。
「1人あたりの目安」は、過去の実績から出すのが確実です。清掃なら「1人が1日に何室仕上げているか」、フロントなら「混む時間帯に1人が何件受けているか」を、数日分記録してみてください。
この目安が決まれば、翌月の予約状況や過去の同じ時期の稼働室数から、日ごと・部署ごとの必要人数を出せます。まずは予約が入っている範囲で出し、直前に予約が増えたら見直す運用で十分です。
3. 閑散期の人件費を抑えつつ、繁忙期に備える
日ごとの必要人数が見えると、閑散期の過剰な配置にも気づけます。ただし、閑散日に人を減らすだけでは、スタッフの収入や働く日数が不安定になり、かえって離職につながりかねません。閑散期は「減らす」より「振り替える」と考えるのがポイントです。
- 閑散期に休みを寄せる:有給休暇や長めの連休を閑散期に取りやすくし、繁忙期は出勤できる人を増やす
- 閑散期に研修を入れる:別部署の仕事を覚える研修を閑散期に組み、繁忙期の兼務に備える
- 短時間勤務・スポットの人員を繁忙日にだけ置く:正社員を増やさずに、ピークの日だけ人数を厚くする
- 労働時間を繁閑に合わせる:1か月単位の変形労働時間制などを使い、繁忙日の労働時間を長く、閑散日を短くする方法もあります。1か月単位の場合は労使協定または就業規則などでの定めが必要です。規模30人未満の旅館などでは、労使協定を結んで届け出ることで、1週間単位で日ごとの労働時間を決められる制度(1日10時間まで)もあります。社内で確認のうえ、必要に応じて専門家に相談してください
出典:兵庫労働局「1か月単位の変形労働時間制」「1週間単位の非定型的変形労働時間制」。最新の基準は厚生労働省・労働局の情報をご確認ください。
閑散期にやったことが繁忙期の余力になる、という流れをつくると、人件費を抑えながら繁忙期に備えられます。
4. 兼務(多能工化)をシフトに組み込む
配置の次に効くのが、兼務です。フロントのスタッフが客室清掃の点検もできる、レストランのスタッフが宴会にも入れる。こうした人が増えるほど、繁忙日にその日いちばん忙しい部署へ応援を回せるため、同じ人数でも実質的な人員が増えます。
兼務をシフトで活かすには、「誰が何をできるか」を整理しておくことが欠かせません。
| スタッフ | フロント | 客室清掃・点検 | レストラン | 宴会 |
|---|---|---|---|---|
| 例:Aさん | ◎ | ○ | − | − |
| 例:Bさん | ○ | − | ◎ | ○ |
| 例:Cさん | − | ◎ | ○ | − |
◎=主担当、○=応援で入れる、−=対応しない、のようにスキルを記号やタグで管理しておくと、繁忙日に「客室が足りないからCさんをレストランから回す」といった判断がしやすくなります。
兼務を進めるときは、次の点に気をつけてください。
- 応援に入れる人を一部の人に偏らせない:いつも同じ人が応援に回ると負担が集中する
- 応援の回数に上限を決める:本来の部署の仕事が回らなくなるのを防ぐ
- 閑散期に研修で「○」を増やす:セクション3の研修とつなげる
5. 繁忙期のシフトを組む順番
ここまでをまとめると、繁忙期のシフトは次の順で組むと手戻りが少なくなります。

① 日ごと・部署ごとの必要人数を出す
稼働室数や予約状況から、セクション2の方法で必要人数を出します。
② 主担当で埋め、足りない日を洗い出す
まず各部署の主担当スタッフで必要人数を埋め、どの日のどの部署が足りないかを確認します。
③ 兼務できる人を応援として置く
足りない日に、スキル表で「○」のついたスタッフを応援として回します。余っている部署から回すのが基本です。
④ それでも足りない日に短時間・スポットの人員を置く
最後に残った不足だけを、短時間勤務やスポットの人員で埋めます。
6. 手作業で「配置」と「兼務」を回すのが難しい理由
考え方はシンプルでも、これを毎月手作業で回すのは大きな負担です。
- 日ごと・部署ごとの必要人数が変わるため、毎月ゼロから組み直しになる
- 応援を回すと、回した元の部署が足りなくなる
- 希望休・連勤の上限・応援回数の偏りなど、守るべき条件が増えるほど組み直しが続く
一か所を直すと別の日や部署が崩れる、という条件同士のぶつかり合いが、繁忙期ほど起きやすくなります。
ここで役に立つのがシフト自動作成です。必要人数(日ごと・部署ごと)、労働時間と休日(連勤の上限を含む)、スキル、夜勤の並び、兼務・応援、公平性(応援やナイトの回数の偏り)、希望(希望休など)といった条件を登録すると、それらをまとめて満たす組み合わせをシステムが計算します。担当者は出てきた案を確認し、必要なところだけ直します。
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Shiftmation(シフトメーション)は、宿泊業をはじめ、日や時間帯によって必要な人数が変わる現場向けに作られたシフト自動作成サービスです。
- 必要人数とスキルを条件に自動作成:日ごとの必要人数、スタッフごとのスキル、希望休や勤務の並びなどを同時に満たすシフトを自動で作成します
- 専任担当が初期設定をサポート:シフトのルールを頭の中から取り出し、言葉にし、優先順位をつけ、初めて使うシステムに正しく設定する——ここが導入で最も重要で、最も難しいところです。Shiftmationでは「わからないことがあればサポートします」ではなく、シフト作成者お一人ずつに専任担当が付き、オンラインMTGで伴走しながらすべて一緒に作り込みます。正しく初期設定できるだけでなく操作にも慣れていただけるので、使い続けられる状態で運用を始められます
- 月の途中でも作り直せる:予約の増減や急な欠員が出たときも、一部を作り直せます
- 概算人件費の管理:上位プランでは、作成したシフトの概算人件費を確認しながら、配置を見直せます
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まとめ
- 繁忙期の人手不足の多くは、繁閑に関わらず同じ人数を置く固定シフトによる配分のずれ
- 稼働室数などの仕事の量と「1人あたりの目安」から、日ごと・部署ごとの必要人数を出せる
- 閑散期は人を減らすより、休み・研修を寄せて繁忙期の余力にする
- 兼務できる人をスキル表で管理し、繁忙日に応援として組み込むと実質的な人員が増える
- 必要人数とスキルの両方を毎月手作業で回すのは負担が大きい。条件を登録して自動で組むのが現実的

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よくある質問(FAQ)
Q必要人数の「1人あたりの目安」は、どうやって決めればよいですか?
A過去の実績から出すのが確実です。清掃なら1人が1日に仕上げた客室数、フロントなら混む時間帯に1人が受けた件数を、繁忙日と閑散日の両方で数日分記録してみてください。平均をとったうえで、少し余裕を持たせた数字にすると運用しやすくなります。
Q兼務を嫌がるスタッフがいる場合はどうすればよいですか?
Aいきなり全員に求めるのではなく、希望する人から始めるのがおすすめです。応援の回数に上限を決め、特定の人に偏らないようにすること、兼務できる業務が増えたことを評価に反映することも、協力を得やすくするポイントです。
Q繁忙期だけスポットの人員を入れるのは効果がありますか?
Aピークの日の人数を厚くする手段としては有効です。ただし、慣れていない人ばかりだと指示や確認の手間が増えます。主担当と兼務の人員で埋めたうえで、残った不足を補う位置づけにすると効果を得やすくなります。
この記事について
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令の解釈や個別の事案への判断を示すものではありません。内容は公開・更新時点の情報に基づいています。実際の運用にあたっては最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報により生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
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シフトのつくりかたについて
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