ホーム › シフトのつくりかた › 介護 › 介護の夜勤シフトの組み方|月の上限回数を決めてから並び・公平さを整えるルール
介護の夜勤シフトの組み方|月の上限回数を決めてから並び・公平さを整えるルール

「また自分ばかり夜勤が多い」「明けの次の日がすぐ日勤で、疲れが抜けない」といった不満が職員から出てきて、次のシフトからは何とかしたい。けれど、夜勤に入れる職員は限られていて、どこから直せばいいのか迷っていないでしょうか。
夜勤シフトは、1人あたりの月の夜勤回数に上限を置くことを前提に組みます。夜勤は家庭の事情がなく、一人で夜勤を任せられる経験のある職員に集まりやすく、非正規職員を夜勤に入れて体制を保っている施設も半数近くあります。上限がないまま組むと、この一部の職員だけ夜勤回数が月6回、7回と増えていき、並びも崩れ、不満の原因が「なんとなく多い」という感覚論になってしまいます。
この記事では、上限回数の目安と決め方、上限とセットで決めておく並びのルール、そして上限を守りながら公平に回す組み方を解説します。
この記事の結論
- 夜勤シフトは「1人月○回まで」の上限を決めてから組む。法律に一律の回数上限はないが、施設のルールとして必ず置く
- 上限の目安は2交代で月4〜5回。上限を守ったまま枠が埋まらないときは、人数に合わせて上限を引き上げ、その数字を公開する
- 上限とセットで、明け翌日の休み・連続夜勤の禁止・夜勤間隔の下限を決め、全員に公開してから組む
- 上限・間隔・並び・希望休を手作業で同時に守るのは難しい。回数と間隔を機械的にならす仕組みが現実的な解決策
目次
1. 夜勤シフトは「月の上限回数」を決めてから組む
夜勤シフトで最初に決めるのは、誰をどの日に入れるかではなく、1人が月に何回まで夜勤に入るかです。この上限があるかないかで、シフトの組み方も、不満への向き合い方も変わります。
上限を決めないと起きること
- 職員ごとの夜勤回数にばらつきが出て、一部の職員だけが月6回、7回と増えていく
- 回数を優先するうちに、明け翌日の日勤や短い間隔の夜勤が増えていく
- 「多い」「少ない」を判断する基準がなく、不満も説明も感覚に頼ることになる
上限を決めると変わること
上限を置くと、「この人はもう入れられない」という線がはっきりします。夜勤枠が埋まらないときも、「誰かにこっそりもう一回入ってもらう」ではなく、「この人数で埋めるには上限が何回必要か」を数字で示して、上限そのものを見直す話にできます。職員に対しても、「上限の範囲で、こういうルールで組んでいる」と説明できます。
法律との関係
介護施設の夜勤回数について、法律で「月○回まで」と一律に定められているわけではないとされています。ただし、上限がなくてよいという意味ではありません。労働基準法の労働時間と休日のルール(変形労働時間制を含む)の範囲内で組む必要があり、夜勤帯に何人を配置するかは施設の種類ごとの基準や、夜勤職員配置加算の要件で決まっています。この制約の中で、1人あたりの上限回数は施設のルールとして明文化するものと考えてください。最新の基準は自治体・厚生労働省の情報をご確認ください。
2. 上限回数の目安と決め方
上限はいくつにすればよいのでしょうか。2交代(16時間前後の夜勤)なら月4〜5回がひとつの目安です。医療・介護の労働組合(日本医労連)は、2交代の夜勤を月4回以内にするよう提唱しています。一方で、同じ労働組合の2024年の調査では、2交代の介護施設の約4割で月4回を超える夜勤が行われており、指針と実情には差があります。
| 勤務形態 | 労働組合の指針(月) | 2024年調査での実情 | 上限の目安(月) |
|---|---|---|---|
| 2交代(夜勤16時間前後) | 4回以内 | 2交代の施設の42.2%で月4回を超える | 4〜5回 |
| 3交代(夜勤8時間前後) | 8回以内 | 3交代の施設の6.2%で月9回以上 | 8回以内 |
出典:日本医療労働組合連合会「2024年介護施設夜勤実態調査」(労働政策研究・研修機構の紹介記事)
平均と上限は別の数字です。上限は「超えてはいけない線」で、平均はその少し下に来るようにします。たとえば上限を月5回にしたら、通常の月は平均4回前後で組み、急な欠員が出たときに5回目を使うという考え方です。
上限から必要な人数を逆算する
上限を決めたら、次はその上限で夜勤枠が埋まるかを確認します。順番は次のとおりです。
- 上限を置く(例:1人月5回まで)
- 1か月の夜勤枠を数える(例:毎日2人×30日=60枠)
- 夜勤枠を上限で割り、必要な夜勤要員を出す(例:60枠÷5回=12人)
夜勤枠の数 ÷ 上限回数 = 上限を守るために必要な夜勤要員の数
この例で夜勤に入れる職員が12人いれば、全員が上限ちょうどで埋まります。余裕を持たせるには14〜15人は欲しいところです。逆に10人しかいなければ、上限を守ったまま枠は埋まりません。
上限を守ったまま枠が埋まらないときは、上限のほうを人数に合わせて引き上げます。この例で10人なら、60枠÷10人=6回なので、上限を月6回にします。「夜勤に入れる人を増やせばよい」と言うのは簡単ですが、採用や育成には時間がかかり、来月のシフトには間に合いません。守れない上限を掲げて毎月誰かが超えるより、守れる上限に直して公開するほうが、職員の納得も得やすくなります。引き上げるときは、なぜその回数になったのかを枠と人数で説明し、明け翌日の休みと間隔の下限は崩さないことをあわせて伝えます。人が増えたら上限を下げる、という見直しの時期も決めておきましょう。
3. 上限とセットで決める3つの並びルール
上限回数だけを決めても、「月の回数は守っているのに、きつい並びが続く」ことは起きます。月に4回でも、明けの翌日が日勤だったり、週に2回続いたりすれば、職員は「多い」と感じます。上限とセットで、次の3つの並びルールを決めましょう。
| ルール | 決め方のポイント | 書き方(例) |
|---|---|---|
| 夜勤明け翌日の扱い | 夜勤の長さ(2交代か3交代か)に合わせる | 「2交代の夜勤は、明けの翌日を休みにする」 |
| 連続夜勤の禁止 | 夜勤 → 明け → 夜勤のような並びを認めるか | 「明けの当日・翌日に夜勤は入れない」 |
| 夜勤間隔の下限 | 次の夜勤まで何日あけるか。上限回数と日数から逆算する | 「夜勤と夜勤の間は○日以上あける」 |

間隔の下限は、上限回数とつながっています。上限が月5回なら、30日を5回で割って平均の間隔は約6日です。間隔の下限を「4日以上」のように決めておくと、月の前半に夜勤が固まって後半が空く、という偏りを防げます。
上限・明け翌日の休み・連続夜勤の禁止・間隔の下限。この4つをひとまとまりのルールとして文章にし、シフトを組む前に全員に公開します。公開の仕方はセクション5で触れます。
4. 負担の大きい並びを避ける組み方
ルールを決めたら、実際の並びに落とし込みます。職員の不満が出やすい並びと、その代わりになる並びを整理しました。
| 避けたい並び | 負担が大きい理由 | 代わりの並び(例) |
|---|---|---|
| 夜勤 → 明け → 日勤 | 疲れが抜けないまま出勤になる | 夜勤 → 明け → 休み |
| 夜勤 → 明け → 夜勤 | 休みがなく、睡眠のリズムが崩れる | 夜勤の間に休みと日勤をはさむ |
| 遅番 → 夜勤 | 前日の疲れを持ち越して長時間勤務になる | 休みまたは日勤のあとに夜勤 |
| 短い間隔で夜勤が続く | 回復する前に次の夜勤が来る | 間隔の下限を守ってあける |
夜勤明けの日は「休日」ではない
2交代の夜勤では、夜勤の翌日が「明け」になります。明けは朝まで勤務しているので、一般に労働基準法上の休日には数えないとされています(休日は、原則として午前0時から24時間、勤務から離れる日とされています)。明けを休みとして数えてしまうと、職員は「休みが少ない」と感じます。明けの翌日に休みを置くのは、不満を減らすうえでも大事なルールです。最新の基準は厚生労働省の情報をご確認ください。
夜勤は「入り・明け・休み」のかたまりで置く
組むときは、夜勤だけを先に並べるのではなく、「夜勤 → 明け → 休み」を1つのかたまりとして置いていきます。こうすると、明けの翌日に日勤を入れてしまうミスを防げます。

このかたまりは3日分です。上限が月5回なら、1人のシフトのうち15日分が夜勤に関わる日になります。上限を1回引き上げると、日勤に入れる日と普通の休みが3日分減る——上限を見直すときは、この影響を踏まえて決めます。
5. 上限を守りながら公平に回す方法
夜勤に入れる職員が限られると、上限の範囲内でも特定の人に負担が寄ります。上限は「ここまで」の線であって、公平さを保証するものではありません。上限を守ったうえで、偏りを小さくし、納得してもらう工夫が必要です。
個別の上限を認めるときは、必要人数も見直す
育児や介護、体調の理由で、施設の上限より少ない回数を個別に決める職員もいます(例:施設の上限は5回だが、この人は2回まで)。個別の上限は認めてよいものですが、その分の枠は他の職員が埋めることになります。全員の上限を合算して夜勤枠に足りているかを確認し、足りなければセクション2と同じく、施設の上限を人数に合わせて見直します。
上限に対する「残り回数」を見える化する
職員ごとの夜勤回数を、上限と並べて一覧にしておきます(例:上限5回・今月3回・残り2回)。今月だけでなく過去数か月の合計も並べると、「先月上限まで入った人は今月少なめに」という調整がしやすくなります。

月の上限は厳守し、3か月の合計でならす
希望休が重なった月など、月ごとの回数を完全にそろえるのは難しいものです。そこで、月の上限は誰も超えないことを守りつつ、回数の公平さは3か月の合計で見る、という二段構えにします。「上限は月単位で厳守、平均は3か月でならす」とルールに書いておくと、職員も見通しを持てます。
土日・祝日・年末年始の夜勤も数える
同じ夜勤でも、土日や年末年始は負担感が違います。夜勤の総数とは別にこれらの回数も数えておくと、回数が同じでも残る「不公平感」に説明ができます。
夜勤専従や、夜勤に入れる職員の育成も考える
夜勤専従の職員がいれば、他の職員の回数を上限より余裕を持って抱えられます。また、新人を計画的に夜勤に入れられるよう育てることも、長い目で見た偏りの解消になります。夜勤に入り始めたばかりの新人は「0人カウント(必要人数に数えない)」とし、経験のある職員と組み合わせて入れる施設もあります(施設独自のルールで、法令上の常勤換算とは別のものです)。
ルールと決め方を公開する
「夜勤は1人月5回まで」「明けの翌日は休み」「夜勤の間は4日以上あける」「回数は3か月の合計でならす」——こうしたルールを、シフトを組む前に全員に伝えておきましょう。上限という数字があるだけで、「なぜ自分ばかり」という不満は「上限まであと何回」という具体的な話に変わります。
6. 上限・間隔・並びを手作業で同時に守るには限界がある
ルールを決めて公開しても、手作業で組む以上、限界は残ります。
- 希望休が重なった月は、夜勤に入れる人がさらに減り、上限のすれすれで組むことになる
- 上限を守ろうとすると間隔や明け翌日の休みが崩れ、並びを守ろうとすると誰かが上限を超える
- 上限に対する残り回数や過去数か月の合計まで見ながら組むのは、担当者の負担が大きい
夜勤に入れる職員が少ない施設ほど、「上限」「間隔」「並び」「希望休」を同時に満たすのは難しくなります。これは担当者の努力で解決するものではなく、仕組みで解決する領域です。
シフト自動作成では、上限回数を「超えてはいけない条件」として登録し、明け翌日の休みや間隔の下限とともに、全員分・1か月分の組み合わせをまとめて計算します。上限の範囲内で回数と間隔が偏らない案が出てくるので、担当者はそれを確認し、必要なところだけ直します。上限で枠が埋まらないときは、それが結果として見えるので、上限を何回にすれば埋まるかをすぐに確かめて見直せます。ルールに沿って機械的に組むので、「誰かの判断で偏った」という不満が起きにくくなり、公平さを説明しやすくなります。
シフト自動作成サービスをお探しの方へ
シフト自動作成サービスはいくつかあり、得意な業種や扱える条件はそれぞれ異なります。Shiftmation(シフトメーション)もその一つで、介護・医療など、条件が複雑な現場のシフト作成を専門にしています。自施設の条件で作れるかどうか、機能・料金・導入の流れをまとめた資料でご確認ください。
Shiftmationの場合
Shiftmation(シフトメーション)は、介護・医療など24時間運営の現場向けに作られたシフト自動作成サービスです。
- 夜勤の上限を「必ず守る条件」として登録できる:1人あたりの月の上限回数を、全員共通のルールとしても、職員ごとの個別ルールとしても登録できます。明けの翌日の休みや連続夜勤の禁止とあわせて、すべてを同時に満たすシフトを作成します
- 専任担当が初期設定をサポート:シフトのルールを頭の中から取り出し、言葉にし、優先順位をつけ、初めて使うシステムに正しく設定する——ここが導入で最も重要で、最も難しいところです。Shiftmationでは「わからないことがあればサポートします」ではなく、シフト作成者お一人ずつに専任担当が付き、オンラインMTGで伴走しながらすべて一緒に作り込みます。正しく初期設定できるだけでなく操作にも慣れていただけるので、使い続けられる状態で運用を始められます
- 月の途中でも作り直せる:夜勤者の急な欠員が出たときも、上限を守ったまま一部を作り直せます
自施設の夜勤の条件で自動作成できるか知りたい方は、介護施設向けページをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
- 夜勤シフトは「1人月○回まで」の上限を決めてから組む。法律に一律の上限はないが、施設のルールとして必ず置く
- 上限の目安は2交代で月4〜5回。平均は上限の少し下に置き、欠員の余裕を作る
- 夜勤枠 ÷ 上限 = 必要な夜勤要員。今の人数で埋まらないときは、人数に合わせて上限を引き上げ、その数字を公開する
- 上限とセットで明け翌日の休み・連続夜勤の禁止・夜勤間隔の下限を決め、全員に公開する
- 夜勤明けは休日ではない。「夜勤 → 明け → 休み」のかたまりで置く
- 上限・間隔・並び・希望休を手作業で同時に守るのは難しい。回数と間隔を機械的にならす仕組みで公平を保つ

介護施設向け Shiftmation(シフトメーション)のサービス資料
シフト作成を、最短5秒に。
夜勤の回数と並び・有資格者の配置・人員配置基準・希望休をまとめて考慮し、条件を満たすシフトを自動で作成します。機能・料金・導入の流れを1冊にまとめました。
よくある質問(FAQ)
Q介護の夜勤は、月に何回までが妥当ですか?
A法律で一律の上限が決められているわけではないため、施設ごとに上限を決めて明文化します。目安は2交代で月4〜5回、3交代で月8回以内です。上限を決めたら、夜勤枠を上限で割って必要な夜勤要員を確認してください。
Q上限を守ると夜勤枠が埋まりません。どうすればよいですか?
Aその月だけのことなら、本人の同意を得て上限を超える分を引き受けてもらい、翌月の回数を減らしてつり合いをとります。毎月埋まらないのであれば、その上限は人数に合っていません。夜勤枠 ÷ 夜勤に入れる人数 で守れる回数を出し、上限をそこまで引き上げて全員に公開します。夜勤に入れる人を増やすのは時間がかかるため、上限の見直しと並行して進め、人が増えたら上限を下げます。
Q夜勤明けの日を休みとして数えてもよいですか?
A2交代の夜勤明けは朝まで勤務しているため、一般に休日には数えないとされています。明けの翌日に休みを置くようにすると、職員の負担感も減ります。最新の基準は厚生労働省の情報をご確認ください。
Q夜勤に入りたくない職員がいる場合はどうすればよいですか?
A家庭の事情や体調など、理由を聞いたうえで、施設の上限とは別に、その人の上限(例:月2回まで、または夜勤なし)を個別のルールとして決めておきます。そのうえで、全員の上限を合算して夜勤枠に足るかを確認し、他の職員に負担が寄りすぎていないかを回数の一覧で見ます。
この記事について
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法令の解釈や個別の事案への判断を示すものではありません。内容は公開・更新時点の情報に基づいています。実際の運用にあたっては最新の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。本記事の情報により生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
目次
編集部のおすすめ
シフトのつくりかたについて
勤務シフト自動作成サービス「Shiftmation」を提供する株式会社シフトメーションが運営。介護・医療・宿泊・小売の現場でシフト作成を支援してきた知見をもとに、明日から使える情報を発信しています。




