ホテル/宿泊
株式会社MANPA様
Shiftmation×PLAYBOOKで人手不足の本質的な解消へ
シフト作成と人材育成の連動で
人手不足を可視化し、公平で働きやすい環境づくりを実現
和歌山県で観光・宿泊業に従事する株式会社MANPA。和歌山湾を望む宿泊施設「和歌の浦温泉萬波 MANPA RESORT」「漁火の宿シーサイド観潮」を営んでいます。そんな株式会社MANPAでは、2024年5月に勤務シフト自動作成サービス「Shiftmation」を導入しました。また、翌6月にはタレントマネジメントサービスの「Shiftmation PLAYBOOK(以下、PLAYBOOK)」の運用もスタート。シフト作成と人材育成を連動させることで、本質的な人手不足解消へ向け取り組んでいます。DX(デジタルトランスフォーメーション)の積極導入で、“関西旅館業界のIT先駆者”とも称される代表の坂口宗徳社長と、人材育成を担当される高橋さや香様に導入後の成果についてお話を伺いました。
—— 感覚的判断の是正が実現する公平なシフト運用
能塚 まずは、シフト作成自動化のきっかけについて教えてください。ツール導入以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
坂口様 展示会で「Shiftmation」を知り、興味を持ったのがきっかけです。またShiftmationだけでなく、自動シフト作成のシステムが多く登場しており、「人手不足対策として有効なのかもしれない」と感じました。
経営者として本来、販売促進やシフト管理は自分が行うべきですが、シフト作成は非常に手間がかかり、負担が大きい業務です。そのため、責任者や管理者が担当する場合が多いですが、作成者自身に負担が偏るケースが頻発していました。例えば、人手が足りない時間帯を補うために、自分で穴を埋める必要があり、心理的・時間的負担が大きかったのです。Shiftmationは、こうした不公平感をなくし、忖度せずに運用できる、非常に素晴らしいシステムだと思います。
他社の同様のサービスに比べて費用は高額でしたが、その価値があると確信して導入しました。実際、希望したことでできないことは少なく、CS担当の小林さんのサポートも非常に丁寧で分かりやすかったので、今後も継続して使いたいと考えています。
能塚 システム導入前後で感じた効果や改善した点について、具体的な部分はありますか?
坂口様 Shiftmation導入前は、「この時間帯に本当にこれだけの人数が必要なのか」「特定のスキルを持ったスタッフが集中してそうだな」と違和感を感じる時がありました。でも、Shiftmationでシフトを自動作成し、評価を確認することで、人員の過不足がある場合は条件ごとに数値でアラートが表示されるため、最適な人員配置が実現されていることに納得ができます。理論的に確認できることで、感覚的な疑問が解消されることもShiftmation導入で得られた非常に良い点の一つだと感じています。
また特定のスタッフに負担のかかるシフトの偏りがなくなったという点も大きな改善です。宿泊業では、特に忙しい夕食の時間帯に出勤するスタッフの配置が重要ですが、導入前は接客が得意な人や若いスタッフが夜間に偏る傾向がありました。しかし、Shiftmationを導入後は、そのようなスタッフも朝の時間帯に入ることが増え、全体の活気が上がっています。感覚的な偏りが解消されたことで、スタッフ一人ひとりの働く環境が改善されたと感じています。
—— PLAYBOOKと連動した人材育成の進化
能塚 現在取り組まれている教育や仕組み作りの中で、PLAYBOOKを利用したタレントマネジメントを「自社でも使える」と思ったきっかけや、興味を持たれたポイントはどこでしたか?
高橋様 やはりシフトと連動できるという点が大きかったです。そこが一番のポイントでした。
もともと人材育成については他社のサービスを使っていたのですが、スタッフに浸透できていないことに課題を感じていたんです。使いづらさを特に感じていたわけではありませんが、運用が定着しませんでした。そのため、Shiftmationを導入するタイミングで、シフトと連動できる「PLAYBOOK」に乗り換えた方が良いと判断したんです。
能塚 PLAYBOOK導入後、どういった点が改善されたと感じますか?
高橋様 皆が同じ方向に向かうようになったという点です。PLAYBOOKによってスタッフ一人ひとりが今、身につけるべきスキルが把握できるようになったことから、スキル向上に向け「これをやりたい」と積極的に伝えてくれるスタッフも増えました。進捗状況が見える化されたことで、トレーニングが遅れている場合は、こちらから声をかけることもできています。
管理者が業務内容の全てを常に把握することは難しいことです。しかしPLAYBOOKで見える化されたことで、スキルや業務負担を考えながら指示が出せるようになったのは非常に良かったと思います。これまで行き当たりばったりだった教育や指導面についても、進捗が分かりやすくなり、一人前になるまでにどれくらいの期間が必要なのかの目安がつきやすくなりました。
能塚 スタッフの皆さまからはどういった反応がありましたか?
高橋様 PLAYBOOKを導入してからは、指導を担当するスタッフから「どこまでできれば合格か」といった建設的な質問が増え、指導が統一されてきました。
これまでは人によって教え方が違っていたり、できるようになるまでの過程が異なっていたりしたのですが、そういった部分の擦り合わせに活用できています。教える側の認識を合わせて、マニュアルを作り進行することで、「じゃあこれができたら合格だね」というような話し合いができるようになりました。
能塚 シフト勤務で働く皆さまは、教える人と教わる人が常に一対一でいることは難しいですよね。だからこそ複数人で対応していく必要があります。そこでしっかりブレがない形で人材育成ができるように、判断基準が人によって違う点を統一していくことが効果的な発展のために必要だと考え、開発したのが「PLAYBOOK」なんです。実際にそういった部分を活用していただいていることは、私たちとしてもとても嬉しいです。
—— 人手不足の本質を見極める「見える化」
能塚 ShiftmationとPLAYBOOKを同時に導入して感じたメリットはありますか。
坂口様 今、多くの業界で課題となっているように、旅館業も人手不足といわれています。しかし本当に人手不足なのか、それとも不足していると感じているだけなのか、という疑念もある。人手不足なら何人いれば足りているのか、何をもって足りていないと言えるのか、という論理的な部分が曖昧だったからです。人のさじ加減で決めている部分があるので、特に悪意はないにしても、不安定な部分があると感じていました。
しかし、Shiftmationを導入することで、それが「見える化」できる。必要な人数に対して常にマイナスが出るようならばそれは人手不足です。一方で、繁忙期だけであれば工夫をして頑張ろうとなる。そういったところを平等に測れ、見える化できるシステムだと感じています。
さらにPLAYBOOKと連動することで、必要な「人の数」が足りていないのか、それとも「スキル」が不足しているのかを把握できるようになります。人数が足りないならば募集を頑張る必要がありますし、スキルが足りないなら教育で育成していく必要があります。それをリアルタイムで把握し、可視化できる点に非常に魅力を感じています。同じように悩む同業の方は多くいらっしゃるので、Shiftmationが旅館業界に広まり、本当の意味で人手不足ではない世の中になってくれればいいですね。
能塚 育成体制があっても、育てるべき人材がいなければ業務が回らないため、今後は採用の支援という部分も何らかの形でできればと考えています。採用のノウハウを提供することも視野に入れているので、引き続き、長いお付き合いができたら嬉しいです。今後もよろしくお願いします。本日はありがとうございました。